Kenneth W. Mihavics and Aris M. Ouksel (1996) "Learning to Align Organizational Design and Data" Computational and Mathematical Organization Theory, Vol.1, No.2, pp.145-155
組織デザイン
- 組織デザインは情報ベースの構造(information-based structure)で考える.
- information processing viewに基づいた仮定:(1)エージェントは限定合理的,(2)コンティンジェンシー理論に依拠
- 2つの側面:(1)経営報告構造(誰が誰に報告するのか),(2)タスク環境のタイプ(どんなタイプのタスクに直面しているのか)
モデルの5つの仮定
- 組織の振舞いは歴史に基づいている(経験から学習する)
- 組織の意思決定は限定合理的なエージェントの意思決定から生成される
- 意思決定はコンセンサスがとれる必要がない
- 組織が解決する必要がある問題は「擬似繰り返し統合的(quasi-repetitive integrated)」意思決定タスクの性質を持つ
- quasi-repetitive:それぞれのタスクは似ていて,以前のタスクと今のタスクが同定できるものではない.
- integrated:タスクは一人のエージェントが扱うには複雑すぎる.
- ついでにタスクは分割不可能(non-decomposable)であると仮定され,サブタスクの成功が全体のタスクを保証するものではない
- quasi-repetitive integrated意思決定タスクの例:(1)sensor data interpretation, (2)bank loan processing, (3)air traffic control, (4)vehicle monitoring, (5)space craft launch decisions
- エージェントは意思決定に対してクリアなフィードバックを得ることができる:毎回,状況に対する自分の意思決定があっていたか間違っていたかを知ることができる
実験条件
- 2種類のタスク:(1)uniform:意思決定係数へのウェイト値が一様,(2)non-uniform:意思決定係数へのウェイト値が一様ではない.clusterd, dispersedの2種類を想定.financial marketやクライアントへの製品提案などを想定.
- 3つの組織構造:(1)階層型,(2)エキスパートチーム,(3)民主主義型チーム(p.147 Fig.1 Organization Structuresを参照)
- 評価軸:(1)平均最終パフォーマンスの水準,(2)学習スピード
結果(p.150 Table 3. Simulation results; pp.150-151 Fig. 3,4,5; p.153 Fig. 6 Contingency model)
- uniform weightおよびdispersed weigthのときには,民主主義型チームが(1)平均最終パフォーマンスの水準,(2)学習スピードの両面において有効
- clustered weightのときには,(1)平均最終パフォーマンスの水準ではエキスパートチームが,(2)学習スピードの面では階層型が望ましい
俺メモ
- 典型的なinformation processing viewでタスク環境のuncertaintyに対する適合組織構造のコンティンジェンシーについての議論を行っている.
- 学習のところが書かれていないので,どうやってマイニングしているのかが分からない.Carley (1992)で確認してみる.