佐藤 郁哉,山田 真茂留(2004)制度と文化 組織を動かす見えない力.日本経済新聞出版社.Chapter 1 企業文化論ブーム・再考

概要

80年代初めに出版された(1)トム・ピータースとロバート・ウォータマンのエクセレント・カンパニー,(2)ウィリアム・オオウチのセオリーZ,(3)テレンス・ディールとアラン・ケネディのシンボリック・マネージャーの3冊の本は企業文化ブームを起こした.
これらの研究は,70年代までのハードなコンティンジェンシー理論が指向した定量的な分析から,ソフトな文化を取り扱うための事例分析を中心とした研究の重要性を再認識された.
3冊の本に一貫するのは,従業員が共通の価値観のもとに一致団結した強い企業文化を持つ企業こそが優れた経営業績を達成できる強い企業になりうる,という主張である.

テレンス・ディールとアラン・ケネディによる強い文化のための4要素

(1)理念,(2)英雄,(3)儀礼と儀式,(4)文化のネットワーク

80年代までの組織理論における関心:組織構造,環境要因

(1)組織構造:仕事の編成の仕方;権限の分布;報酬の分配など
(2)環境要因:技術的要因;経済的要因;政治的要因など